- 議会活動報告 -
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▼第331回愛媛県議会定例会一般質問(平成25年9月)
平成25年9月17日(火)

bP 代表質問 本宮議員(自民)


問1 実需の創出に向けた取組みの成果をどう評価しているのか。また、今後の本県の成長戦略をどのように考えているのか

(知 事) ○ 人口減少等により内需が伸び悩む中、カンフル剤となった国の金融緩和や公共事業による景気刺激策を、持続的な景気回復につなげていくため、県では、国のマクロ的な政策に合わせて、地域の魅力や産業の底力を最大限に生かしながら実需を創り出す、本県独自のきめ細かな対策に取り組んできたところ。

○ 特に、県内中小企業は、優れた技術や製品を持ちながらも営業力が弱い場合が多いことから、全国に先駆けて設置した営業本部を中心に、「すご技」データベース等を活用しながら、私自身のトップセールスなど国内外での商談会やフェア等の開催を通じて、県内企業等の営業活動を後押しし、ものづくり技術や農林水産品等の販路拡大に努めた結果、本部で把握できたものだけで、昨年度1年間で、新規成約213件、成約金額約8億4千万円、今年度第1四半期でも206件、約2億8千万円の実績を上げている。
  ものづくり分野などは、公表できない場合があるので、実質的には、より多くの成約があるものと推測され、着実に実需の創出につながっていると手応えを感じている。

○ 今後も実需の創出に徹底的にこだわり、昨年改訂した県の経済成長戦略をベースとして、本県の豊かな産品や技術、観光資源等の更なるブラッシュアップにより、“愛媛の底力”の一層の引き上げを図るとともに、食品、環境・エネルギー、健康、観光の重点戦略4分野を中心に、
・東アジア市場をターゲットとした海外販路の開拓
・県内企業の炭素繊維加工事業への参入・集積化の促進
・健康と生きがいと友情が得られる自転車新文化の創造
・瀬戸内しまのわ2014(にいまるいちよん)及び国際サイクリング大会の開催等による観光振興
などに積極的に取り組んでいきたいと考えている。

○ 県としては、引き続き、技術や製品の研究開発から営業活動の支援まで、県内企業の補助エンジンとしての役割をしっかり果たしていくことにより、「次代を担う活力ある産業」の創出を図って参りたい。

問2 愛媛松山空港と台湾松山空港を結ぶチャーター便が運航されるが、今後、台湾との交流にどのように取り組んでいくのか。

(知 事)○ 私の宿願であった、同じ名前を持つ「愛媛松山空港−台北松山(しょうざん)空港」間のチャーター便が、ついに運航の運びとなり、日本の地方都市との間での運航は初めてのことでもあり、大変嬉しく思っている。

○ 先日の?龍斌(かくりゅうひん)台北市長をはじめとする訪問団からは、「県や松山市・今治市などによる心温かいおもてなしや、愛媛の豊かな観光資源に触れ、大いに感動した」旨の言葉を頂き、今後、台湾との一層の交流促進を図っていきたいと、思いを新たにしたところである。

○ また、これまでの温泉や観光協会などの友好交流に続き、10月のチャーター便での台湾訪問の際には、JR松山駅と台湾鉄道松山(しょうざん)駅との友好駅協定が締結されるなど、お互いの交流が民間の様々な分野にも広がり、深まっていくものと期待しているところでもある。

○ 県としては、これまで築き上げてきた友好交流関係をベースに、このたびのチャーター便運航を起爆剤として、愛媛・松山の知名度を一気にアップさせるため、台湾において、新聞広告をはじめ、インターネットの活用やラッピングバスの運行などを通じて、集中的に観光プロモーションを展開するほか、先般、台湾の高級スーパーに6トンを超える温室みかんの輸出が実現し好評を博したように、これを契機として、柑橘など本県産品の販路開拓やものづくり技術の提携、スポーツ・文化の交流なども積極的に進め、その効果が県下全域に波及するよう取り組んでいきたいと考えている。

○ 併せて、将来的には台湾との定期路線化を視野に入れ、県内市町や関係機関の協力も頂きながら、まずはチャーター便の実績を積み重ね、定期チャーター便の運航実現に向けて、台湾の航空会社や旅行会社等と協議を進めて参りたい。

問3 核燃料税の税率引上げの理由と、新たに導入される出力割の考え方はどうか。また、核燃料税の更新と伊方原発の再起動との関連はどうか。

(総務部長)○ 本県の核燃料税は、昭和54年1月に創設され、伊方原発の放射線監視や避難路の整備などの安全・防災対策をはじめ、地域産業の振興や住民生活の安定等の財源として、地域住民の安全・安心のために重要な役割を果たしてきたところ。

○ しかしながら、福島第一原発の事故を受けて、原発に関わる安全・防災対策等が求められる区域も拡大していることや、その区域において一層の対策強化が必要なことから、今回の核燃料税条例の更新に当たっては、安全・防災対策等に必要な財源を確保するため、税率を現行の13%から17%相当に引き上げるものである。

○ さらに、従来からの課税方式である価額割は、核燃料の価額を課税標準として課税するものであり、原子炉の稼働状況等の影響を受けたが、今回導入する出力割は、原子炉の出力に応じて課税する方式であり、安定した税収に寄与するものと考えている。

○ また、今回の更新は、現行の核燃料税条例の有効期間満了により、伊方原発の再起動とは全く関係なく実施するものであり、これは、福井県など先行道県と同様である。

問4 今後、原子力防災対策の充実強化にどのように取り組んでいくのか。

(知 事)○ 県では、福島第一原発事故を踏まえた昨年10月の国の原子力災害対策指針の策定を受け、本年2月に、防災対策の基本となる地域防災計画を修正し、原子力災害対策重点区域を伊方原発から30q圏に拡大したところであり、また、その後の同指針の改定を受け、7月にも地域防災計画の修正を行い、緊急事態区分の基準や防護対策実施の基準を導入するなど、緊急時における防護対策の拡充・強化を図ってきたところ。

○ また、本年6月には、この地域防災計画に基づいて愛媛県広域避難計画を策定し、重点区域内の最大約13万人が避難する場合の受入市町や避難経路を複数選定した広域避難の基本フレームを示すとともに、西予市への移転整備を進めているオフサイトセンターについては、平成26年度中の完成を目指して今議会に建設予算を計上している。

○ 現在、重点区域内の7市町においては、県広域避難計画を基に、具体的な避難ルートや要援護者への対応などを盛り込んだ避難行動計画の策定を進めており、今秋に実施する原子力防災訓練での検証等も見据え、できる限り早期に策定されるよう、県としても、関係市町間や隣県との調整を図るなど、積極的に計画策定の支援に努めているところである。

○ 原子力防災対策は、原発の安全対策と並行して充実・強化を図っていくべきものであると考えており、県民の安全・安心の確保のため、今後、国や関係市町等と連携を図りながら、実効性のある訓練を積み重ね習熟を図るなど、最大限の対応を行って参りたいと考えている。

問5 サイクリングしまなみ2013に向けた現在の取組状況はどうか。また、来年の本大会に向けて、プレ大会の開催をどのように生かすのか。

(知 事)○ 来月20日に開催する「サイクリングしまなみ2013(にいまるいちさん)」については、参加申込みが5日間で3,000人の定員に達したほか、本県を含む43都道府県からの申込みがあり、トータルのうち県外が約半数を占めており、改めてサイクリング人気の高まりを実感し、日本で初めて、供用中の高速道路を走行するプレミアム感と相まって、この大会の魅力が県内外のサイクリストに歓迎されるとともに、自転車の活用が観光振興に十分つながることを示したものと受け止めており、来年の本大会に向けて確かな手応えを感じているところである。

○ 現在、安全対策に万全を期するため、高速道路上での作業を想定したリハーサルを行うなど、着実に準備を進めるほか、交通規制時の代替手段としてフェリー3隻を確保し、その影響を最小限にとどめる体制を整えているところ。
  また、台湾やインドネシアからのツアーや、海外メディアの招請を予定しており、サイクリングの聖地としてのしまなみ海道の魅力を世界に情報発信することとしている。

○ なお、参加者に、しまなみ海道はもとより愛媛の魅力を体感していただくため、スタート・ゴール会場において、地元の柑橘や海の幸等を味わっていただくとともに、エイドステーションなどで、ボランティアスタッフや地域の方々によるお接待を行い、住民の皆さんと交流する機会を提供するなど、地域の活性化に結び付けたいと考えている。

○ 来年の本大会に向けて、今回の「サイクリングしまなみ2013」の成功は不可欠であり、まずはプレ大会の実施に全力を挙げるとともに、しまなみ海道の魅力を国内外に広く発信し、本大会のPRや、地元の機運醸成、大会運営の検証等をしっかりと行いながら、今回の経験をもとに、来年10月に予定している参加者1万人規模の大会につなげて参りたい。

○ また、このしまなみサイクリング大会のときに、もう一つ重要なポイントは、愛媛県にはご案内のとおり、東予にも中予にも南予にもそれぞれ素晴らしいサイクリングコースがある。大きな可能性を秘めているものと思う。
愛媛マルゴト自転車道でその整備を行い、世界的に情報発信のインパクトが大きなしまなみ海道を拠点としたイベントで集客を図るときに、こうした2次情報を訪れた方々にどう提供するかということが、非常に重要と思っている。
2次情報を提供することによって、しまなみのほかにもこれだけのコースがあるならば、さらにまた来ようというリピーターにつなげていく。その場所はしまなみにとどまることなく、東予・中予・南予全域につなげていくという視点を持っていくことが極めて重要と思っているので、その点にも十分留意した取組みを進めていきたい。

問6 農業分野へのIT活用について具体的にどう取り組んでいくのか。

(知 事)○ 高齢化や担い手不足など、厳しい環境にある本県農業の経営改善や競争力強化を図るためには、最新のクラウドシステムを活用したIT導入による生産性向上や省力化・高品質化、担い手育成や規模拡大など、“攻めの農業”を積極的に展開する必要があると認識。

○ このため、県では、全国に先駆け、ITメーカーのクラウドコンピューティングを活用し、果樹、野菜、米等を対象として、
・園地内にセンサーを設置し、生育解析や栽培作業をスマートフォン等で管理する「高品質生産技術支援型」
・ほ場形態等の農地管理情報をタブレット等で共有し、人材育成や農地集約化を図る「営農・農作業支援型」
・生産履歴や出荷情報の分析による効率生産や契約販売促進を図る「経営効率化支援型」
の3類型により、事業主体の利用目的や経営戦略に応じた、きめ細かなITシステムの導入助成を行うモデル事業の予算を今議会に計上したところ。

○ これにより、勘と経験に頼りがちであった農業経営の“見える化”が図られ、栽培マニュアルの共有化による生産技術の効率化や省力化、品質管理の高度化はもとより、生産コストや売上・販売など経営情報を活用した収益拡大、さらには高品質生産によるブランド化や技術継承による人材育成にもつなげたいと思う。

○ また、事業実施に当たっては、生産者、ITメーカー、大学、関係団体等による「農業クラウド研究会」を立ち上げ、実証における課題や成果の検証を行うなど、県内農業分野に広くIT導入の機運を盛り上げていきたいと考えており、“IT主導の農業革命”とも言われる農業クラウドの展開によって、国の施策に先行して農業の成長産業化を愛媛県は一歩先んじて図って参りたい。

問7 民間建築物の耐震化促進のための課題は何か。また、県はどのような取組みを行うのか。

(土木部長) ○ 本県には、今回の法律改正により、平成27年末までの耐震診断が義務化される民間建築物約80棟のうち、診断を行っていないものが約40棟あり、県としては、先ず、これらの建築物の所有者に、期日までに診断を実施していただくことが必要と考えているが、耐震診断に要する経費が1千万円以上と高額になる建築物が多数あることから、所有者の自主的な取組みに任せたままでは、診断が円滑に進まないことが懸念される。

○ これらの民間建築物は、不特定多数の県民等に利用されることから、県では、所有者が速やかに耐震診断を行えるよう、費用の1/2を国、残りの1/2を県と市町が負担する制度を創設することとし、今議会に関係予算を計上している。

○ 今後は、当制度を活用して、耐震診断が促進されるよう支援に努めるとともに、市町と連携し、耐震化への啓発や働きかけに取り組み、これら民間建築物の耐震性の向上に繋げて参りたい。

問8 特別支援学校の整備等にどう取り組んできたのか。また、今後どのように充実強化を図っていくのか。

(知 事)○ 障害のある子どもたちには、その年齢や能力、特性を踏まえた十分な教育が受けられる教育環境を整備することが重要であり、在籍児童生徒が大幅に増加している知的障害特別支援学校については、平成23年度に新居浜特別支援学校を、24年度にはみなら特別支援学校松山城北分校を開校するとともに、本年4月には、新居浜特別支援学校の新校舎落成に合わせて産業科を新設するなど、職業的自立の促進にも力を入れてきた。

○ また、校舎等の耐震化についても、県立学校全体の耐震化は愛媛県の大きな課題であるが、他の県立学校に先行し、特別支援学校の耐震化を進めており、平成27年度の完了を目指して計画的に整備を進めるほか、教員による痰吸引等の医療的ケアの実施やキャリア教育の充実を図るなど、児童生徒の安全対策や学校運営の充実に積極的に取り組んでいるところ。
  なお、耐震化については、特別支援学校は平成27年度の耐震化完了、全ての県立学校については2年遅れるが、平成29年度に全ての耐震工事の完了を目指して計画的に整備を進めていく所存。

○ しかしながら、肢体不自由の子どもたちに対しては、しげのぶ特別支援学校1校で県内全域をこれまでカバーしてきた結果、本人や保護者の方々には、長時間通学など大きな負担をお掛けし、その解消が課題であると認識していたので、今回、東予・南予両地域において、肢体不自由対象の特別支援学校の開設準備の予算を計上したところ。
  具体的には、東予地域では、新居浜西高等学校の一部校舎を改修整備することにより、障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶインクルーシブ教育の一つのモデルとして新居浜特別支援学校の分校を開設し、南予地域については、宇和特別支援学校の余裕教室を改修し、知的障害や聴覚障害に加えて、更に幅広い障害種別に対応できる学校づくりを行いたいと考えている。

○ 今後は、平成27年4月の開設を目指し、施設整備の円滑な推進と併せて専門的な教育・指導体制の確保や、地域の医療・福祉・労働関係機関等との連携体制の構築を図り、ハード・ソフト両面から障害のある児童生徒が愛顔で安心して学べる環境や指導・支援の充実に取り組んで参りたい。