第326回愛媛県議会定例会一般質問(平成24年3月2日)

【問1】
 県の結婚支援にかかる実績と成果はどうか。また、今後、どのような取組みを行うのか。

(答)仙波保健福祉部長
 平成20年11月に開設をいたしました「えひめ結婚支援センター」におきましては、本年2月末までに、結婚支援イベントを764回開催し、約2万2千人の男女の参加があったほか、今年度新たに開始をいたしました「愛結び事業」では、予想を大幅に上回るペースで入会申込みがありまして、会員登録者が1,315人となるなど、順調に推移をしております。
 これまで、イベントでは、参加者の26.8%に当たる2,900組のカップルが誕生し、151組から結婚を報告をいただいておりまして、特に、支援を強化いたしました過疎・離島地域におきましては、イベント実施団体の育成や県外からの婚活ツアーの誘致等によりまして、今年度、112組のカップルが誕生しております。また、「愛結び」では、昨年10月から開始をいたしましたお引合せにより、40.2%に当たる171組が交際を開始しておりまして、先月末、第1号目の結婚報告をいただいたところでございます。
 今後は、運営を委託しております県法人会連合会の協力を得ながら、愛結び窓口の夜間・休日の開設や出張登録や出張閲覧会の実施により、会員等の利便性を向上させますとともに、結婚アドバイザー等の専門家と連携した相談機能の充実を図るなど、引き続き結婚支援を積極的に推進いたしまして、出生率の向上や地域活力の維持向上に努めて参りたいと考えております。

【問2】
 年長化する非正規雇用者の就職支援にどう取り組むのか。

(答)東倉経済労働部長
 本宮議員お話のとおり、若者が非正規雇用者として、不安定な雇用状態のまま年長化しておりますことは、格差社会を助長し、社会全体の活力低下を招きかねない憂慮すべき事態でありまして、正規雇用化の取組みは喫緊の課題であると認識しております。
 このため、県では、ジョブカフェ愛workにおけるかかりつけ相談やスキルアップセミナー等のきめ細かな就職支援や高等技術専門校での実践的職業訓練等に努めておりますほか、今年度からは、概ね40歳までの年長求職者を対象に、OJTによる就職実践研修にも取り組んでいるところでございます。
 また、企業の採用意欲を高めるため、職歴を就職に活かせるジョブ・カードの普及や年長フリーターを正規雇用した場合の、事業主に対する国の奨励金制度の周知のほか、県内企業約1万社に知事名で要請を行うなど、若者の正規雇用化を強く働きかけております。
 さらに、来年度からは、新たに「就活再スタート応援月間」を設けまして、愛workの運営時間延長や休日相談窓口の開設のほか、若者を対象とした中途採用向け会社説明会の開催や「フリーター脱出ガイド」作成など、正規雇用化への対策を強化することとしておりまして、こうした取組みを通して、年長化する非正規雇用者が、早期に、1人でも多く、正規雇用へ転換できるよう全力を上げてまいりたいと考えております。

【問3(1)】
 集落営農組織や新規就農者など、地域農業の担い手の確保・育成にどう取り組むのか。

(答)佐伯農林水産部長
 農業従事者の高齢化や減少が進む中、地域農業を維持・発展させていくうえで、担い手づくりは喫緊の課題となっており、集落の支え合いを活かした営農組織の育成や意欲的な新規就農者を確保し、優れた農業経営者に育てていくなど、地域の実情に応じたきめ細かな取り組みを進めることが重要であると考えております。
 このため、県では、平成24年度から、国が新たに実施をいたします農地集積協力金や新規就農者への給付金事業と連携し、新たな集落営農組織の立ち上げや既存組織の経営力強化に対して、ハード・ソフトの両面から支援を行うこととしておりますほか、さらには新規就農者の育成に積極的に取り組むJAや農業生産法人等を新たな担い手育成のモデルと位置付け、実践的な就農研修やその営農定着を推進することにより、次代の農業経営者や集落営農のリーダーにつなげていくことといたしております。
 今後、市町やJA等と一体になって、これらの新たな支援策の効果的な実施に努めることにより、担い手の確保と定着を確実に推進いたしますとともに、こうした人材が支える力強い地域農業の確立を目指してまいりたいと考えております。

【問3(2)】

 東予地域における担い手対策の一つとして、退職者の就農支援を、今後どう進めるのか。
(答)佐伯農林水産部長
 東予地域では平成22年度の新規就農者31人の内、60歳以上の者が8人と全体の4分の1を占めており、定年を機に第二の人生で自然に親しむ農業に就きたいと考えている中高年齢者は多く、地域農業の貴重な担い手としての期待は大きいと考えております。
 このため、県では、こうした企業退職者の就農を支援するため、(財)えひめ農林漁業担い手育成公社が中心となって、県内企業に対する啓発活動や意向調査を実施しているほか、農業大学校におきましても中高年齢者等を対象とした農業訓練コースを開設するなど、就農希望者の意欲の醸成に努めながら、その推進を図っているところでございます。
 さらに24年度からは、新たに企業立地の多い東予地域におきまして、地方局事業により「即戦力・就農チャレンジ支援事業」を創設し、農業に関心のある企業と連携しながら、就農サポート体制の整備や従業員に対するアンケート調査、就農意欲のある従業員のリストアップ等に取り組み、定年後の就農を誘導することとしており、今後とも、市町等とも一体となって、地域の実情に応じた幅広い就農支援活動を展開し、地域農業の一層の担い手確保に努めてまいりたいと考えております。

【問3(3)】
 葉たばこの廃作を契機とした既存産地の再編を図るため、転換作物の円滑な導入・定着にどう取り組むのか。

(答)佐伯農林水産部長
 葉たばこは、本県の中山間農業を支えてきた重要な品目であり、特に南予地域で盛んに栽培されてきたことから、廃作後の農地の有効利用を図り、産地の再編を進めることは、喫緊の課題であると認識いたしております。
 このため県では、普及組織が中心となり、市町、JA等とも協議しながら、廃作予定農地の継続した利用を推進する観点に立って、転換作物の選定や円滑な導入・定着を図るための対策を検討するとともに、たばこ廃作農家に対しても、営農に関する相談窓口を設置するなどの対応を始めているところでございます。
 また、今回の廃作は約100haと規模も大きく、中山間地域の農業の存続にも影響を及ぼしかねないものであることから、当初予算に葉たばこ廃作関連緊急対策事業を創設し、県下の産地ごとに関係機関・団体等が連携して転換作物の産地化等に取り組む体制を構築いたしますとともに、これにあわせて転換作物の低コスト化や高品質生産に必要な機械・施設等の整備に対して支援することとしており、こうした取り組みを通じて、地域一体となった産地の再編を推進し、中山間地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。

【問4(1)】
 地震被害想定の見直しにどのように取り組むのか。

(答)上甲県民環境部長
 現在、国においては、南海トラフを震源域とする巨大地震の震源モデルの見直しを進めているところでありまして、県におきましても、国の見直しを踏まえた最大級の地震を新たに想定し、県域レベルの詳細な被害を把握するため、被害想定を見直すことが必要でございます。
 このため、来年度から2年間で最大クラスの地震・津波の被害想定調査を実施するとともに、あわせて中央構造線に沿った4つの活断層地震についても見直すこととし、必要経費を当初予算に計上しているところでございます。
 今回の調査にあたりましては、学識経験者で構成する調査検討委員会を設置し、学術的・専門的な助言を受けるとともに、最新の知見を踏まえたコンピュータ解析を行うほか、新たに古文書調査や津波堆積物調査を県内全域で実施し、過去の津波の記録も反映させることとしております。
 この調査結果につきましては、広く県内の防災関係機関や住民に周知するほか、地域防災計画をはじめ避難場所等の選定、避難計画の策定など防災施策に反映させ、県下全域の地域防災力の一層の向上につなげていきたいと考えております。

【問4(2)】
 海岸保全施設や河川堤防などの公共土木施設について、どのような方針で整備に臨むのか。

(答)井上土木部長
先の東日本大震災では、巨大津波に対しては、施設による防護には限界があり、「逃げることを優先すべき」との教訓が得られたところであります。
 これを受けまして、国の中央防災会議では、最大級のレベル2の津波に対しては、住民避難を柱とした対策を、また、数十年から百数十年に一度の確率で発生するレベル1の津波に対しては堤防等による防護を基本とした対策をとることとしたところであります。堤防等の整備に際しては、レベル1の津波高を確保するとともに、その構造については津波が施設を越えた場合でも引き波等で倒壊せず減災効果がある「粘り強い構造」とするとの考え方が示されたところであります。
 このため、県では、海岸保全施設や河川堤防の整備に向け、粘り強い構造の検討をいますとともに、レベル1の津波に対して必要となる堤防高さの設定と既設堤防高の不足箇所を抽出するため、津波シミュレーションや現況調査を実施する費用を今議会に計上したところであります。
 今後、これらの検討結果を踏まえまして、国の社会資本整備総合交付金の全国防災枠など地震・津波対策関連予算を有効に活用いたしまして、津波被害や事業効果の大きい箇所から重点的にハード整備を進めますとともに、避難を中心としたソフト対策とも併せ、県民の安全・安心の確保に努めて参りたいと考えております。

【問5】
 東日本大震災を受け、災害時の医療機能の維持・確保にどう取り組むのか。

(答)仙波保健福祉部長
 本宮議員お話のございました石巻赤十字病院は、免震構造と最新の医療設備を備えた災害拠点病院でありまして、東日本大震災においては、近隣のほとんどの医療機関が機能を停止・喪失する中で医療機能を維持し続けたとのことでございまして、災害への備えの重要性を改めて痛感をいたしております。
 県におきましては、県立中央病院を災害基幹拠点病院と定め、二次医療圏を単位とする災害拠点病院7病院を指定して、医療機器等の資機材整備や建物の耐震強化を推進しておりますが、東日本大震災を受けまして設置した、県災害医療対策協議会の意見・提言を踏まえ、新たに衛星電話や災害用エアーテント等の病院用資機材整備に対する助成を行いますとともに、被災地の急性期医療を担うDMAT16チームに対しましても、DMATカー等の整備を支援するなど、災害医療の中核を担う病院機能の一層の強化を図ることといたしました。
 また、医療施設耐震化臨時特例基金を活用した医療機関の耐震化につきましては、既に1病院が事業完了しております。また、4病院が事業実施中、1病院が来年度新たに着手予定でございまして、これらが完了する平成28年度には、災害拠点病院を含む二次救急医療機関で65パーセントの耐震化が完了する見込みでございます。県といたしましては、引き続き、国に対して同基金の追加・延長を要望いたしますとともに、今後、県災害医療対策協議会においてとりまとめます災害医療体制の強化方策に沿って、災害時における医療機能の維持・確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

【問6】
 「知事とみんなの愛顔でトーク」を開催しての知事の所感はどうか。また、来年度はどのような方針で臨むのか。

(答)中村知事
 地域づくりは、言うまでもなく住民の皆さんが主人公であり、地域に活力をもたらす原動力は、地域の皆さん自身の中にあると考えてまいりました。「知事とみんなの愛顔でトーク」は、その主人公である地域の皆さんと膝を交えて直接お話をさせていただくものであり、皆さんの生の声をお聞きするとともに、県政の重要な施策について知っていただく機会にもなる、非常に大事な場であると認識しております。
 昨年は、この「愛顔でトーク」を県下6会場で開催し、116名の皆さんから、お話がありましたように、141項目にわたる様々なご意見を頂戴したところであり、これに対して、私も率直に自分の考えをお話しさせていただきまして、可能なものはやりましょう、できないものはなぜできないのか、ということについて、丁寧に説明する、そういったものについて、建設的な意見交換ができたものと考えております。内容的にも地域ごとの課題や地域の良さなど、参加者の皆さんに教えていただくことも多く、これらのご意見全てが、私にとって、皆さんと力を合わせて県政を進めていく上での貴重な手掛りとなったと実感しています。
時折、愛媛の底力のお話をさせていただきますが、こうした素材、要素、テーマについては、まさに、こうした機会に教えていただいたことも数多くあるということでございます。かつて、松山市長時代にも、こうした対話は極めて重要ということで、3つの事業を立ち上げた経験がございます。その一つは「市長とみんなのわくわくトーク」これはきわめて「愛顔でトーク」に似た形態をとっています。その他にも、職員を巻き込んで行う「みんなの松山わいわいトーク」。それから、一つのテーマを決めて6ヶ月に渡って市民の皆さんに議論をしていただき、市民の声として結論を導き出していただく「みんなのまつやま夢工房」。こうしたような3つの事業を柱に、その他にも、日常において地域からのご要望にしたがって、講演や対話というのを10年以上積み重ねてきた経験がございますので、こうした事業がいかに大切かというのは知っているつもりでございます。ただ、知事の場合は、そこまでなかなか細かく時間が取れないということと、トップセールスや対外的な折衝が多くありますので、どうしても回数等々限られてしまいます。そこで、今申し上げたような市町単位では細かくやっておりますから、そうした議論に参加されている代表の方々とお話しすることによって、ある程度カバーできるのではないかなと、そんな風な考えのもとに、各地方局単位での開催ということに繋げさせていただいた次第であります。
来年度につきましても、この「愛顔でトーク」を、地方局ごとに2箇所ずつ、県下6会場での開催を予定しているところであります。地域の皆さんからは、今年度同様、地域の実情を踏まえた前向きなご意見をいただき、有意義な意見交換ができればと期待しているところであります。また合わせて、議員ご指摘にように、地域の主要な施設などを時間の許す限り視察させていただき、地域の実情を自分の目を通して把握する機会にしたいとも考えています。
 就任2年目となる来年度は、新長期計画を本格的に実行に移す「離陸」の年と位置付けており、私としては、「愛顔でトーク」などを通じ、県民のみなさんの声や地域の状況を自分自身で十分認識し、それを基に、また、これまで以上にしっかりと地に足を着けて、着実かつスピード感を持って県政運営に取り組んでいきたいと思います。

【問7(1)】
「大・島博覧会」の開催や、サイクリングの活用など、しまなみ海道沿線地域の観光振興に向け、どのように取り組むのか。

(答)中村知事
 「海の道・しまなみ海道」の魅力を一言で言えば、島と橋が織り成す美しさであり、県では、これまで、風光明媚な景観はもとより、サイクリングやウォーキング、水軍等の歴史や文化、豊富な食材など、恵まれた資源を活かした観光振興に取り組んできたところでございます。
 このような中、開催を目指している「大・島博覧会」については、現在、広島県や関係市町と、事務レベルの協議を重ねているところでありますけれども、お話のとおり、一過性のイベントで終わらせることなく、地域住民主体の持続的な観光振興につなげていく必要がありますことから、24年度には、地元市町と連携し、島ごとの座談会や、そこでの議論を踏まえたシンポジウムなどにより、地元の気運醸成を図るとともに、住民主導の観光プログラムの創出も支援していきたいと思います。
これもまたかつて、中島町を舞台に繰り広げた松山市の「しま博覧会」がヒントになっていまして、立ち上げまでにはやはり2,3年の月日をかけています。主体であり主人公である島民のみなさんが、魅力に気づいて「やるんだ」という風な気運が醸成されなければイベントは一過性で終わってしまいますので、そこには十分力点を置きながら、皆さんと一緒に考えていきたいなと、そんな年にできればと思っています。
 そんな中で、メインイベントとして、世界的規模のサイクリング大会を開催できればと願っているところであり、お話にありました、世界中にネットワークを持つ台湾のジャイアント社とのタイアップも視野に入れながら、サイクリスト用施設の整備や、サイクルトレインの運行をはじめ、魅力あるサイクリングコースの設定や旅行商品の造成など、様々な取組みを積極的に推進し、サイクリングを中心にしたしまなみ海道沿線地域の観光振興を図ってまいりたいと思っています。
このしまなみ海道が、アマチュアサイクリストのメッカに、もし、なったとするならば、これを起点に愛媛県の他の地域へのサイクリングのツール・コースの設定というのも広がりを見せていくこと期待しています。
先般、愛南町の方で、独自にサイクリングコースを設定するというような動きが出てきて、大変うれしいニュースでありました。例えばそれが、東予のエリアでも、南予の他のエリアでも、100km以上は必要と思いますが、我がまちにはこんな素晴らしいサイクリングコースがある、県内でいくつもそんなサイクリングロードマップが、点としてできて、それがやがて線となり、面になっていくということになれば、まさに愛媛県がサイクリングのメッカになり、それを一番ひきつける役割となるのがしまなみ海道となっていくというようになれば、未来像も見えてくるのではないか期待しているところであります。

【問7(2)】
今治小松自動車道をはじめとする本県の高速交通ネットワーク整備に向け、どう取り組むのか。

(答)井上土木部長
 高規格幹線道路等のネットワークは、物流の効率化や周遊観光圏域の拡大などの多岐・多様な効果を県内全域に波及させるなど、本県が活性化していく上で極めて重要であり、また、本宮議員からお話がありましたように、救命・救急医療、更には、東南海・南海地震による避難や緊急輸送など防災・減災対策の上でも必要不可欠な社会資本であります。
 このうち、今治小松自動車道につきましては、しまなみ海道と松山自動車道を直結する重要な路線でありますことから、県としては、工事を実施する上で懸案となっておりました埋蔵文化財調査への全面的な協力を行いますとともに、用地買収が概成している今治朝倉IC(仮称)〜今治湯ノ浦ICまでの6.3km区間の工事着手と残る区間の用地買収を国に対し強く要望してきたところであります。
 こうした中、2月には国の第4次補正予算において、6.3km区間の工事実施予算が内示されまして、今年度中に橋梁下部工を発注する見込みとなったところであります。また、残る4km区間についても、すでに用地買収に向けた調査設計が進められるなど、県としても、今後の本格的な事業展開に期待を寄せているところであります。
 今後、県としては、今治小松自動車道など県内高速道路のミッシングリンク解消を含め、早期の高速交通ネットワークの構築を国に対し強く要望し、地域の活性化や観光振興、そして災害に強い県土づくりに努めて参りたいと考えているところであります。

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