-議会活動報告 -
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▼第307回愛媛県議会定例会一般質問(平成20年6月)
1.本県の私学助成の今後の見通しはどうか。
質問者:本宮議員
平成20年度の私学運営補助金の削減により、本県の私立高校に通う生徒1人当たりの補助金単価は約286,400円となり、前年度と比較し、率で5.2%、金額にして約15,700円の減額となっている。この補助金単価については、国は毎年、「国庫補助単価」と「地方交付税算入単価」を合計した「標準単価」を示しているが、本県の私立高校の補助金単価は、平成19年度の標準単価より2.5%低い水準となり、標準単価を下回るのは本県では初めてのことであると聞く。
この補助金減額に対して、県内の私立高校関係者は「県財政が厳しいのは承知しているが、ここまで大きな額を減らされるとは」などの驚きの声のほか、「学校経営の努力にも限界があり、授業料を上げなければならない状況になるのでは」と、保護者負担の増加の可能性も示唆しており、学校関係者並びに保護者などからは、自民党に対して何とかこれ以上の削減は食い止めてほしいとの陳情が寄せられている。
そのため、5月中旬に、県議会自民党私学振興議員連盟の役員と私立中学高等学校連合会並びに私立幼稚園協会役員との意見交換会を開催し、改めて私学経営の大変厳しい状況などについての話を聞いた。
授業料の値上げなど保護者負担が増加すれば、勉学の機会を失う生徒も出てくる心配もあり、これ以上の補助金削減は避けてほしい。

答弁者:讀谷山総務部長
1.本県財政は、地方交付税の削減や社会保障関係など義務的経費の増加等により、非常に厳しい状況が続く中、財政構造改革を着実に進めていくために、あらゆる歳出の見直しが必要という観点から、平成20年度の私立学校運営費補助金についても、財政力が類似する他県の状況等も踏まえて見直しを行い、その結果、本宮議員お話しのように、高校生一人当たりの補助単価を、前年度に比べ5.2%引き下げたところである。

2.県の補助金には、法令等により義務的に補助を行っているものと、私立学校運営費補助金のように県の財政力の範囲内において任意に補助を行っているものがあるが、本来義務的に補助すべきものですら、その財源確保が困難な状況の中で、県としては、私立学校の経営の安定化と保護者負担の軽減を図るため、これまでもできる限りの私学助成に努めてきたところである。

3.また、本県の子ども達の4分の1が私立学校に在籍するなど、私立学校が本県学校教育の発展に重要な役割を果たしていると認識しているが、本県財政は、今後も厳しい運営を強いられるものと見込まれることから、今後の私学助成については、来年度の予算を編成する中で、本宮議員のご意見も踏まえながら、総合的に検討してまいりたいと考えている。
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2.規制緩和について
質問者:本宮議員
(1)本県における構造改革特区への取組みの状況及びその成果はどうか。
構造改革特区の制度は、国の規制緩和政策として、平成14年7月にスタートし、全国で様々な事業についての特例が認められてきた。
北九州市国際物流特区は、通関の24時間化や安価な電力を供給する新しい仕組みを国へ提案するなど、北九州発の規制緩和が、提案した市だけでなく全国に広がり、日本経済の活性化にも大きく貢献しており、10年間で企業立地35社、雇用創出約1万人の数値目標も順調に進んでいると聞く。
また、岩手県遠野市が取り組んだ「日本のふるさと再生特区」では、テレビ、新聞等で「どぶろく特区」としても大きく取り上げられ、観光客が急増していると聞く。
さらに、群馬県太田市が取り組んだ「太田外国語教育特区」では、小学校から国語と社会の一部教科以外の授業を全て英語で実施する小中高一貫校を開校したが、平成16年4月に小学1年生を募集したところ定員60人に対し160人の応募があり、特に、栃木、埼玉、東京等の県外からの応募が多かったとのことであり、間接的な効果として、全国から視察相次ぎホテル等の稼働率が大幅にアップしたと聞く。と聞く。
 国では、このほかにも数多くの特区が認められ、それぞれの地域の活性化に大きく寄与している。
 内においても、新居浜市の「大島白いも特区」などが大きな成果を上げており、過疎、高齢化が進む小さな島で特産である白いもを活かして地域活性化に取り組み、焼酎の製造販売、白いもの菓子づくりなどを行うことにより耕作放棄地の解消にもつながり、また、交流人口の増加により地域振興が図られている。特に、白いも焼酎は大変おいしいとの評判を呼び、新聞・雑誌等にも度々紹介されている。

答弁者:西沢企画情報部長
1.構造改革特区制度は、本宮議員お話のとおり地域の特性に応じて、国の規制を地域限定で緩和することで、地域の活性化を図ろうとする制度であり、地域の資源・特色を活かした新たな取組みや新規産業の創出などといった効果が期待されており、本県でも、国と連携して相談会を開催するなど本制度の積極的な活用を呼びかけているところ。

2.これまでに県内から行われた88件の特区提案については、特別養護老人ホーム等の耐火要件の緩和などの14件が規制の特例措置として認められているところであり、また、今年度の提案募集においても、県からは
○介護サービス事業における介護ボランティアの活用による人員基準の緩和
○獣医師養成系大学の入学定員規制の緩和 の提案を行うなど積極的な活用に努めているところ。

3.一方、特区認定については、本宮議員お話しの新居浜市の「大島白いも特区」のほか、四国中央市の「新宮小中一貫教育特区」では、コミュニケーション科や英語科などを新設したことにより、児童・生徒の学習意欲の向上が見られるなど、地域の活性化に大きく寄与している。
4 県としては、今後とも、本制度を活用して地域活性化が図られるよう、制度の更なる周知を行うとともに、県も主体的・積極的に提案を行ってまいりたいと考えている。

(2)獣医師養成系大学の設置に関する規制の緩和に向け、県は今後どのよう
に取り組んでいくのか。
 県の平成21年度国の施策等に関する提案・要望の最重点項目に、「規制緩和の推進について」が新たに追加された。この中に建築基準法の緩和、介護ボランティアの活用、獣医師養成系大学の設置に関する規制の緩和などがあるが、特に、獣医師養成系大学の設置は昭和41年の北里大学獣医学部を最後に、約40年間、規制などの関係で新増設がなされていない非常に難しい問題であると聞く。
 現在、獣医学部は、国立が10大学、公立が1大学、私立が5大学に設置され、定員は合わせて930人であるが、そのうちの82%は東日本の大学が占めており、東西の偏在も大きい。
 そのような中、近年のペットブームなども影響して受験希望者が殺到し、医学部と並ぶ難関の学部になっていると聞く。
 昨年5月に農林水産省がとりまとめた「獣医師の需給に関する検討会報告書」によると、四国地域は、全国9ブロックの中で獣医師が最も少なく、全国の獣医師のわずか2.4%しか活動していないとのことであり、将来の需給見通しでも獣医師が不足するとのデータが出ている。
 そのようなことから、昨年11月に愛媛県と今治市が共同で、地域の活性化を図るため、地域を限った大学獣医学部の設置の許可の特区提案を行ったが、残念ながら認められなかった。しかし、知事が文部科学省に度々足を運ぶ中で、その強い思いが文部科学省内においても十分認識されているとも聞く。
 もし、このことが認められれば全国に先駆けて、約40年ぶりに獣医師養成系大学が愛媛県に設置されることになり、実現すれば関連する食品産業や製薬・動物関連企業等の誘致も行われるため、今治地域のみならず、県全体に経済的、社会的効果が現れてくると思う。

答弁者:加戸知事
1.今治市の獣医師養成系大学設置については、若者の県外流出の抑制、新産業・新事業の創出 による地域経済の活性化、県内獣医師の安定的な確保等の観点から、県としても積極的に協力する必要があると考える。

2.このため、本宮議員お話しのとおり、県と今治市が共同で昨年11月に特区的案を行ったものであるが、将来的な議論の動向を踏まえて検討を進めたいとの理由にならない回答で、提案は認めていただけなかった。

3.しかしながら、本年4月に、県内の高校1年生を対象として、今治市が実施したアンケートの 結果によると、倍率の高さや近くに大学がないことが大きな障害となり、獣医学部に関心を持つ生徒のうちの多くが進学を断念していることが判明したことから、教育の機会均等という点を強調する形で、昨年度の提案を修正し、先月末に改めて今治市と共同で提出したところである。

4.本宮議員ご指摘のように、東日本には82%、西日本では18%という獣医学部の定員配置は、常識から考えても、変則的である。仮に医学部や薬学部が、西日本に18%の入学定員しかないとなれば、大騒ぎになるところであるが、獣医学部に関しては、これが40年間放置されてきたことは、理解することができない。

5.先般、本県の重要施策項目としても再度、国に対して要望を行ったところであり、当面は、特区提案に対する国の回答を待つこととなるが、今後とも、今治市と協調しながら、機会あるごとに、獣医師系大学設置の実現に向けて、国に対しねばり強く働きかけてまいりたい。

6.極論すると、道州制の導入により大幅な地域主権が与えられるようになれば、このような問題が生ずることは無いと思う。

(3)えひめ夢提案制度のこれまでの取組みの状況及びその成果はどうか。えひめ夢提案制度は、平成17年度に創設されたが、都道府県版構造改革特区制度については、これまでに北海道チャレンジパートナー特区、島根県のしまね版特区など7道県で創設され、それぞれの仕組みで様々な取組みが進められている。
このうち、滋賀県では、平成16年度に不動産取得税等の課税免除や補助金の助成などをセットにした経済振興特別区域制度を創設、2つの特区計画が第一弾として認定され、着実な取組みが進められている。長浜市の「長浜バイオ・ライフサイエンス特区」では、行政と経済団体によるバイオ産業振興協議会が立ち上がり、長浜バイオ大学の隣接地には、国・県の支援によるインキュベーション施設の整備を進めている。大津・草津両市による「びわ湖南部エリア新産業創出特区計画」でも、滋賀医科大学、立命館大学、龍谷大学等との連携により、着々と大学発ベンチャー等の創出・成長に向けた支援が進められている。
そのほかにも、県版特区により実現した事例は全国にいくつかあり、それぞれの地域活性化に大きく寄与している。

答弁者:加戸知事
1.えひめ夢提案制度は、提案者自らが地域の活性化に取り組むことを前提に、県の権限に関する規制緩和や新たな財政措置を伴わない各種支援を行うものであり、制度創設以来、県広報紙やメールマガジン、出前相談会などにより周知に努めてきたところ、国や市町の権限であるものも含めて、昨年度までに合計83件の提案が寄せられている。

2.そのうち、県の権限に係るものや県に支援を求めるものが51件あったが、
○家庭の台所とレストランの調理場の兼用の基準を緩和し、上島町において最低限の投資で農 家レストランが開業
○地方局にプロジェクトチームを設置し、宇和島市のどぶろく特区における製造免許の取得等 を支援することにより、スムーズな免許取得と早期の製品化が実現したなど、これまでに県の規制緩和や人的支援等により、半数以上の提案が実現しており、地域の活性化に寄与しているところ。

3.これからも、えひめ夢提案制度を積極的に活用いただくため、引き続き制度の周知に努めるとともに、市町や県民の「夢」の実現に向けて、規制の緩和や各種支援に積極的に取り組んでまいりたい。国もえひめ夢提案制度を参考にしていただきたいと強く思う次第である。
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3.警察問題について
質問者:本宮議員
(1)警察捜査における取調べの適正化について
起訴された12人全員が無罪となった鹿児島県の志布志事件、服役後に真犯人が判明した富山県の氷見事件など、近年、全国で無罪判決が相次ぎ、警察の強圧的な取調べなどに対して厳しい目が向けられている。

(ア)警察捜査における取調べの適正化に向け、県警としてどのような取組み行っていくのか。また、取調べの一部録画や録音への取組みについても併せて問う。
 警察庁では本年1月に、「警察捜査における取調べ適正化指針」を取りまとめ、その指針をもとに全国の警察で取調べを含めた適正捜査に万全を期し、国民への信頼回復のために日夜努力していると聞く。
この指針では、各県警の捜査部門以外の部署に取調べの監督官を置くことや、取調室の入退室時間を管理するシステムの整備を推進することなどが明記され、さらに「容疑者の身体に必要なく触れたり、机をたたいたりすること」や「自白しないと家族を逮捕するぞといった脅迫めいた言動をすること」などを「監督対象行為」と定め、各署に設置する監督官が発見すれば、必要な防止措置を講ずるとともに処分もあり得るとする内容も盛り込まれている。
また、来年5月の裁判員制度開始を踏まえ、取調べに対して部分的な録画や録音の試行も行うことになっている。
この指針に示されている取調べ監督官の配置は、全国に先駆けて鹿児島県警では本年の5月26日から試行がスタートされ、来年4月には全国一斉に本格実施することとなっている。

答弁者:広田警察本部長
1.取調べの適正化については、本年4月に、国家公安委員会規則として「被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則」が制定され、来年4月から全国で施行されることとなっている。

2.この制度は、警察に新たに取調べ監督官等を設置し、取調べ室における取調べの状況を透視鏡等により外形的に確認させるなどにより、取調べに関する監督を強化し、一層の取調べの適正化を図ろうというものである。

3.これを受け、県警では、先般、私を委員長とする「愛媛県警察取調べ適正化施策推進委員会」を設置して、監督制度などの取調べの適正化に関する施策を一層推進することとしている。来年4月に施行が予定されているこの監督制度が、円滑かつ適切に施行されるよう、本県においても、本年9月から警察本部及び一部の警察署において試行実施する方針であり、現在、所要の準備を進めているところである。

4.また、取調べの一部録音・録画については、本年度中には一部の大規模県警察で試行されると承知しているが、本県における試行時期については、現在のところ国から示されていないが、先行して試行される大規模県の実施状況を注視してまいりたい。

イ)取調べの可視化導入による捜査現場への影響はどうか。また、捜査に携わる警察官に対してどのような指導を行っていくのか。
 録画、録音などのいわゆる可視化導入には様々な論議がなされているとのマスコミ報道もある。
日本の警察は、欧米諸国などのように強力な捜査権限が与えられていないため、取調べを担当する取調官は、容疑者の生い立ちや悩みなどを掘り下げて反省を促し、自供を引き出す手法を築いてきたが、そのような捜査手法が使いにくくなるという心配から、捜査の一線では可視化への抵抗感が強いとも聞く。

答弁者:広田警察本部長
1.取調べの一部録音・録画については、裁判員裁判において、自白の任意性を客観的に、かつ、分かりやすく立証するための方策の一つとして試行されるものと承知している。

2.他方で、取調べの全ての過程を録音・録画することについては、これにより、自供が得られにくくなるなど取調べの機能が大きく阻害され、その結果、事案の真相解明が困難になることなど、犯罪の検挙活動自体に支障をきたし、県民の皆様の安全確保に大きな影響を及ぼすおそれがあるものと認識している。

3.取調べの一部録音・録画の導入についても、捜査の現場では戸惑いを覚える者もいるかも知れないが、捜査に携わる警察官に対して、この制度が導入されるに至った経緯や趣旨等を正しく理解させ、本県において一部録音・録画が試行されることとなった場合には、適切に実施されるよう指導教養を行っていく。

4.県警としては、取調べの監督制度や一部録音・録画を導入することにより、事案の真相解明という取調べや捜査の本来の機能低下を招くことのないよう配意し、治安維持の責務を果たしてまいりたい。
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質問者:
(2)交通死亡事故抑止アンダー100について
交通事故の死亡者は、全国の警察や行政などが交通安全対策に積極的に取り組んだことにより、平成5年以降、特に平成12年からは年々減少し、昨年は5,744人で、これは昭和28年と同じ水準となっている。
そのような中、県警でも交通事故死亡者をさらに減らそうと、一昨年から「交通死亡事故抑止アンダー100」作戦に積極的に取り組んでいる。
今日では、知事を先頭に県、県警、県議会を始めとして、県民総ぐるみで取り組んでいることもあり、アンダー100の言葉も徐々に浸透し、交通事故抑止に対する県民の意識もこれまで以上に高まってきていると思う。
しかし、交通事故死亡者は、一昨年が101人、昨年は100人と、昭和31年以降最小の数になってはいるものの、アンダー100はまだ達成が出来ていない。
今年こそは何とか達成してほしいと願うが、聞くところによると交通事故発生件数並びに負傷者数は減少しているものの、死者数は6月20日現在51人と、昨年比ではプラス4人にもなっており、このままでは、アンダー100の達成が難しいのではないかと心配する。
このような状況の中で、この6月に後部座席のシートベルトの着用が義務化されるなどの改正道路交通法の一部が施行されるなど、新たな交通事故防止対策が講じられたところでもあり、これを契機として、続発する交通死亡事故に歯止めがかかるのではないかと期待する。

(ア)本県の交通死亡事故は、他県の状況と比べてどのような特徴があり、どこに問題があるのか。

答弁者:広田警察本部長
1.本年の全国における交通事故は、発生件数、傷者数とも減少傾向にあり、死者数は6月末現在、対前年比で359人減少しており、このまま推移すると平成22年までに死者数を5,500人以下に抑止するという政府目標の達成が、十分手の届くところまできている。

2.一方、県内の交通事故は昨日現在、発生件数、傷者数とも減少しているものの、死者数は51人であり、対前年比で1人増加となっている。

3.本県における交通死亡事故の特徴を、本年6月末現在の数字でみると、
○まず1つ目として、全死者のうち65歳以上の高齢死者の占める割合が、全国では約50パーセントであるのに対して、本県では72.5パーセントと全国ワースト2位と著しく高く、極めて憂慮すべき状況にあること。
○2つ目として、高齢者の歩行中、自転車乗用中の死者数は23人で、そのうちの約7割が運転免許を保有していなかったこと。
○3つ目として、夜間歩行中の死者数14人のうち、高齢者が12人と高い比率を占めているが、夜間歩行中の死者全員が反射材を着用していなかったこと。
などがあげられる。

4.このようなことから、本県においては、高齢者の事故が多く、とりわけ高齢の歩行者や、自転車利用者の事故が多発しているが、他方で高齢者自身の交通安全意識や、高齢者を保護する取組みが必ずしも十分でない、若しくは十分に浸透していないことが一つの問題であると認識している。

(イ)交通事故の抑止に県警としてどのような取組みをしているのか。また、高齢者の交通事故対策にはどのような対策を講じているのか。
 新聞やテレビの報道によると、今年は特に、高齢者が犠牲者となっているケースが極めて多いと聞く。

答弁者:広田警察本部長
1.県警では、現在、例年、全国平均を超える割合を占めており、かつ、最近急増している高齢者の事故抑止を図ることが最重要であると考え、県・市町をはじめ関係機関・団体と連携した高齢者交通事故防止対策を推進している。

2.具体的には、先ほど説明したような問題点を踏まえ、まず、高齢者の交通安全意識の高揚を図るため、高齢者世帯への巡回訪問指導や警察本部に高齢者交通安全教育チームを編成し、各地域で交通安全教室を開催するなど交通安全教育を強化している。
次に、高齢者の保護活動として、街頭での高齢者保護誘導活動や反射材の貼付活動を強化し、高齢者が利用する施設周辺や幹線道路で信号機のない横断歩道に蛍光式横断旗を設置し、道路横断時における交通事故防止を図っている。
さらに、一般のドライバーに対しては、事業所や各地域で開催される交通安全講習会において、交通事故実態を踏まえた、高齢者に優しい運転について指導を徹底するとともに、歩行者妨害や著しい速度超過など重大事故に直結する悪質・危険な交通違反の指導取締りを強化しているところである。

3.また、高齢運転者標識の表示の周知徹底を図るとともに、高齢ドライバーに優しい社会環境作りの一環として、高齢者が利用する施設を中心に「もみじマーク優先駐車場」の設置や、民間事業者のご協力を得て、運転免許証返納制度への支援措置を設けるなどの対策を講じている。

4.このような取組みと併せ、後部座席シートベルトの着用義務化等を内容とする改正道路交通法の周知と円滑な施行により、1件でも多く悲惨な交通事故を減らし、本年こそは、「交通死亡事故抑止アンダー100」を達成したいと考えている。

(3)本県において緊急性のない110番などの問題は起きていないのか。もし問題が起きているのであれば、どのような対策を取っているのか。
5月6日の読売新聞の身勝手110番の記事を見て驚いた。緊急性のない110番や事件や事故に関係のない相談に、各地の警察が苦慮している実態が報告されていた。
警察庁によると、いたずらと明らかにわかる電話などを除いた110番は、2004年の953万件をピークに減り続け、2007年には898万件にとどまっているが、そのうち事件・事故と関係のない相談や要求だけは増加傾向にあり、2004年の88万件から2007年には95万件に膨らんでいる。
全国の警察では、埼玉県桶川市の女子大生殺害事件でストーカー相談に警察が不適切な対応をしたという問題をきっかけに、犯罪の未然防止の観点から市民の訴えに丁寧に耳を傾けており、モラルに欠ける要求でも無視するのは困難な状況にあるが、非常識な通報に追われることで、警察力の低下を招くのではないかと危惧する声が出ているのも事実である。
現実に、その対応に追われた結果、他県では警察官の現場到着が遅れたなどの影響も出ているほか、警視庁では週に一度は30秒以上、110番回線がふさがる事態が起きているとのことで、37都道府県で警察業務に支障を来たしていると報道されており、おかしな要求や要望にはき然とした態度で臨み、対処してもらいたいと思う。

答弁者:広田警察本部長
1.平成19年中にかかってきた110番通報の県内の総受理件数は、9万6,524件で、このうち約2割の、1万8,000件程度が、いたずら電話や応答の無い110番通報である。

2.また、110番通報の中には、「ヘビが出たので早く捕まえてくれ。」、「買い物に行きたいので、タクシーを呼んでくれ。」という自己都合によるもの、「誰だれさんの家の電話番号は、何番なのか。」という電話番号案内代わりに使うもの、あるいは、お酒に酔った方が、「お金が無いのでパトカーで家まで送ってくれ。」とパトカーをタクシー代わりに使おうとするものなどの、いわゆる身勝手110番も少なくない。

3.中には、通信指令室で110番の受理にあたっている警察官に対し、長時間にわたり罵声を延々と浴びせ続けるものなどもあり、職員が対応に苦慮する場面もある。

4.こうした不要不急の110番によって、緊急を要する事件・事故への対応が実際に阻害されたといった事例は、幸いなことに現在までのところ把握していないが、今後こうした通報が多くなれば、悪影響が出るのではないかと危惧している。

5.このため、県警では、不要不急の110番の架電者に対して、その都度、緊急性のある通報に限定するよう理解を求めているほか、毎年1月10日を「110番の日」と定め、110番の正しい使い方を広報するなど、県民の皆様への周知徹底を図っている。こうした対策により、議員ご懸念の、警察力の低下を招くことのないよう対応してまいりたいと考えている。
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4.救急車の有料化について
質問者:本宮議員
救急車の出動件数は、平成17年版消防白書によると平成6年からの10年間で、救急隊数はわずか1割の増加に過ぎなかったのに対し、救急車の出動件数は304万件から502万件と約1.6倍に増加している。平成16年は、救急出動は6.3秒に1回、救急自動車による搬送人員は約474万人で、国民の27人に1人が救急搬送されている。
その内訳をみると、救急自動車の救急搬送の死亡、重症、中等症の傷病者の割合が48.3%、入院加療を必要としない軽症傷病者等の割合が51.7%と軽症患者の割合が高くなっており、本当の意味での救急患者への搬送や救命への影響が危惧されている現状にある。

(1)県内において、身勝手110番のような問題が119番通報では起きて
いないのか。また、不要不急の救急車利用により、問題は生じていないのか。
 高松市消防局においては、1年間に50回近くも救急車をタクシー代わりに呼び、そのうえ身勝手な要求を拒否されて救急隊員に暴行を加えたケースのほか、コンタクトレンズが外れない、擦り傷や虫刺され、歯痛、待たずに受診できるとの理由で救急車を呼んだ人もいると聞く。
全国でも、救急車で駆けつけると本人はコンビニに行って留守だったとか、駆けつけると入院準備をして表で待っていたとか、30分後に救急車を1台と注文の付いた悪質事例が新聞で報告されている。

答弁者:長野県民環境部長
1.各消防本部によると、身勝手110番のような事例としては、病院の混雑状況や救急当番病院の照会、また、単なる話し相手としての相談などがあるが、これらの緊急性のない通報については、一般電話でかけ直してもらう等の措置をとっているため、119番がふさがったり、出動指令が遅れたりする事態は起きていないとのことである。

2.また、救急車の利用状況については、救急搬送者の約半数を占める軽症患者のうち、約1割がタクシー代わりや優先的に診察を受けるためなど、緊急性がないものであり、これらの不適正な 救急車利用によって、真に緊急を要する患者からの出動要請に対し、迅速な対応ができない場合があるなど、少なからず影響は出ているとのことである。

3.このため、各消防本部においては、通報段階での指導や現場での患者本人の説明のほか、応急手当等の講習会や広報紙、ホームページなどにより、適正な救急車利用の啓発に取り組んでいるところであり、県としても広報による意識啓発を行うなど、各消防本部と連携を図ってまいりたい。

(2)救急車の有料化について、県として市町とともに検討してはどうか。
 「救急車要請は無料である」というところに問題が潜んでいるのではないかという説がある。
有料化についてはいろいろと問題があるとは思うが、タクシー代わりに使うようなものも含め悪質なケースについては有料化すべきであると思う。

答弁者:長野県民環境部長
1 ご指摘のように近年の救急需要が増加する中で、救急車の適正利用方策の一つとして、有料化の議論が始まっているが、仮に有料化した場合、本来必要な救急要請を抑制することにならないか、逆に安易な救急要請を増加させないか、さらに対象となる傷病者の範囲をどうするか等の課題がある。
2 このような中、国においては、平成18年3月に消防庁が「救急需要対策に関する検討会報告書」を取りまとめているが、それによると、「頻繁に利用する者への個別指導や厳然とした対応」、「軽症利用者への代替措置の提供」などの各種対策をまず実施し、これらの対策を講じてもなお十分でない場合に、救急サービスの有料化について、国民的な議論の中で引き続き検討していくこととしている。
3 本県の市町においては、現在のところ、救急車の有料化に対する具体的な動きはなく、当面、悪質な利用者に対しては厳しく指導するほか、啓発活動の徹底等により救急車の適正利用を図ることとしており、県としても、国や市町等の検討状況を注視してまいりたい。

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