-議会活動報告 -
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▼第294回愛媛県議会定例会一般質問(平成17年9月)
1. 合併後の市町について
質問者:本宮議員
 市町村合併はゴールではなく新たなまちづくりのスタートである。旧来の市町村の持つ独自制度のすり合わせや合併後の中心地域と周辺部との連携強化など、これから克服すべき課題も多く山積している。地方分権の主体、受け皿として進めてきた市町村合併は、本格的な機能強化に向け新たな局面を迎えていると思う。
(1)合併後の市町の持つ課題をどうとらえているのか。
 中長期的な視点に立った合併後の各自治体の課題として、1つ目に地域の一体感の醸成がある。地域住民の連帯意識を高めるハード面、ソフト面の行政施策の展開が強く求められる。2つ目は、行財政の効率化についてである。合併の効果として行政のスリム化、財政面での効率化が挙げられるが、組織や人員、歳出面の見直しは、ある程度の期間を要するものであり、現在の地方財政をめぐる状況から見ても、合併後数年間の行財政運営はむしろ相当厳しいのではないか。合併後の市町にとっては、この期間にいかに簡素で効率的な体制を確立するかが最大の課題であると思う。3つ目は、地域を担う人材の育成である。合併後の新しいまちづくりのためには、新しい発想とビジョンを持つ自立型の地域リーダーの育成や支援が必要不可欠であると考える。
答弁者:
 全国有数の合併をした今治市を選挙区とするお立場も含めての課題についてのご質問であったかと思います。
 議員ご指摘のとおり、合併後の市町の課題としては、地域の一体感の醸成、行財政運営の更なる効率化、地域を担う人材の育成などがございますが、例えば、行財政運営の効率化に関しましては、住民サービスの激変緩和のため従来の組織体制をある程度残さざるを得ない事情もございます等、これらの課題を解決するには一定の時間を要するものと認識いたしております。
 しかし一方で、地方分権の推進や国、地方を通じた財政状況の著しい悪化、更には少子高齢化の進行など、市町を取り巻く情勢の厳しさに鑑みますと、こうした諸課題の解決は喫緊のテーマでありまして、各市町が自らの問題として可能な限り早期に取り組むことを期待いたしております。
 県としても、非常に厳しい財政状況下ではございますが、今年度、合併市町周辺地域振興補助金を創設し、合併により周辺となる旧市町村地域の地域づくり事業を支援していくことといたしましたほか、行財政基盤強化のための助言を行うなど、新たなスタートを切った合併市町の取組みを今後とも支援してまいる考えでございます。
(2)分権型社会にふさわしい自治体として、また、住民に最も近い自治体としてどのようなまちづくりを期待しているのか。
答弁者:
 新市町におきましては、今回の合併により、住民に最も身近な基礎自治体として、生活に密着した行政サービスを総合的に提供していく、地方分権の受け皿としての基本的な体制は一応整ったものと認識いたしております。
 また、今回の一連の合併論議を通じて、地域の行政の仕組みや自治のあり方に関する地域住民の関心が高まったものと思われ、合併後の新しいまちづくりにおきましては、今まで以上に積極的な住民の参画が期待されるところでございます。
 今後、各市町におきましては、政策形成能力の充実強化に努めますとともに、住民との協働を進めることにより、自らの考えと判断の下で、地域の特性を生かした個性豊かなまちづくりを強力に推進されることを期待いたしております。
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2. 認知症高齢者の地域ケア体制について県としてどのように考えているのか。
質問者:本宮議員
 認知症高齢者を介護する家庭では非常に苦労が多いと言われており、理由として介護の苦労をわかってくれる話し相手を作りにくい、徘徊など家族だけでは対応できない症状も多い、ケアの仕方が難しいなどが挙げられる。
 介護する家庭を地域ぐるみで救うことに関して、昨年11月11日放映のテレビ番組では北海道釧路市の「見守りネットワーク」の取組みとして、行政や警察、民間の各種団体などが家族からの通報により捜索に協力する仕組みが紹介されていた。また、神奈川県川崎市の「川崎市認知症ネットワーク」でも同様の取組みで大きな成果を上げているとのことである。
 先日、同級生の母親が徘徊し行方不明となったが、1年前に帰郷したばかりで地元自治会との付き合いもまだ不十分で、近所総出での捜索にはならなかった。幸い早期に発見され事なきを得たが、このようなネットワークが県内各地にあれば認知症の方や介護をする家族への大きな支援となりまた、現在、知事が強力に推進している「愛と心のネットワーク」の趣旨にも合致すると思う。
答弁者:
 お話のとおり、高齢化の進展に伴って、認知症高齢者が急激に増加することが予想されますため、認知症を多くの地域住民が理解し、地域ぐるみで認知症高齢者を見守り、支え合うことが重要になるものと考えております。
 このため、保健所や県在宅介護研修センターにおいて、相談窓口の設置や県民への普及啓発並びに介護ボランティアの育成に努めているほか、市町が警察や郵便局、地域住民などと連携して徘徊高齢者への対応を行うネットワークづくりを支援することとしており、昨年度から四国中央市が啓発などの取組みを始めているところであります。
 今後は、こうした取組みをより一層普及させていくとともに、改正介護保険法により市町が設置することとなりました地域包括支援センター等を中心とした認知症ケアのレベルアップやきめ細かなネットワークづくりを促進し、認知症の方を町ぐるみで支えることにより、認知症になっても安心して生活を送れる地域ケア体制の整備に向けた取組みを支援してまいりたいと考えております。
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3. 安全・安心な県産農産物の生産にどのように取り組んでいるのか。
質問者:本宮議員
 近年、BSEや鳥インフルエンザの発生、食品の不正表示事件を背景として食品の安全に対する不安や食品表示に対する不信が生じており、消費者の「食」に対する信頼の回復を図ることが喫緊の課題となっている。
 国の食料品消費モニター調査の結果によると、消費者が農薬をはじめとした生産状況に強い関心を持っていることを改めて感じる。
 こうした中、国において平成17年7月から生産者や農薬、肥料の使用状況等の生産情報を消費者に正確に伝える仕組みを第三者機関が認定する新たなJAS規格が制定された。
 食の安全・安心について消費者の信頼を得るためにはトレーサビリティシステムの構築が必要であると考え、以前、本県における状況を質問したところ、着実な取組みが進められていることを確認し心強く思う。
 こうしたトレーサビリティシステムや新たなJAS規格制度は、消費者と生産者を結びつける上で重要な役割を果たすものであり、今後、ますますその対応の強化が求められるが、その一方で、いかに安全・安心な農産物を生産するか、出発点となる生産段階における取組みへも目を向ける必要性を強く感じている。
 今治市では、地産地消を進める中で、減農薬・減化学肥料で栽培された米や野菜などを学校給食に提供する体制を整備し、安全・安心な農産物の生産に積極的に取り組んでいるが、今後、県下における農産物生産においても安全・安心の輪が広がることを期待している。
答弁者:
 県では、環境に優しい農業を推進するため、平成5年度から環境保全型農業推進基本方針を策定いたしまして、土づくりを基本とした農薬や化学肥料の使用量の削減に向けた栽培技術の普及やこれを実践するエコファーマーの育成に取り組んできたところでございます。
 さらに、安全・安心な農産物を求める消費者ニーズの高まりに対応するため、15年4月に特別栽培農産物等認証制度を創設いたしまして、減農薬・減化学肥料栽培による農産物の認証をしており、県独自で認証いたしました農産物の出荷量は、野菜、果樹を中心に15年度が48件、4,595トン、16年度が126件、10,945トンと増加している状況にございます。
 この認証を受けた農産物につきましては、出荷する際に、農薬・肥料の使用状況等の表示を義務付けますとともに、県のホームページで残留農薬分析結果の公表を行うなど、生産者と消費者との信頼関係の構築に努めているところでございます。
 今後とも認証制度の一層の普及・啓発を図ることはもとより、天敵を活用した防除など新技術の普及やより多くの生産者の創意と工夫を促すなど安全で安心な県産農産物の生産振興に努めてまいりたいと考えております。
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4. 青少年を取り巻く環境の悪化から青少年を保護するため、愛媛県青少年保護条例改正により県としてどう対応していくのか。
質問者:本宮議員
 マスコミ報道等で青少年による凶悪事件のニュースに接することが以前と比べて格段に多くなったように思う。これらの事件の大きな特徴は、親や同級生など身近な人が被害者になっていることと、インターネットなど比較的最近出てきた情報技術が、なんらかの形で事件に関係しているのではないかと思われるケースが多いということである。
 情報化の著しい進展は極めて大きな利便性をもたらしている反面、まだ判断力が十分備わっていない青少年がこれまで接することの難しかった性的な情報、暴力的な映像、危険な情報などを簡単に見ることができるようになっている。
 また、書店やコンビニエンスストアに行くと、堂々と成人雑誌などが販売され、青少年への販売が規制されているとはいえ、こうした環境が青少年に悪影響を与えることは自明のことであり、青少年を取り巻く環境がこのようなことでいいのかと危惧する。
 今回、愛媛県青少年保護条例の見直しを行い、インターネットをはじめとする有害環境から、青少年を保護することなどを内容とした改正案を本議会に上程していることは、誠に時宜を得たものであり、大変心強く思うとともに、今後の成果に期待している。
答弁者:
 青少年の健全育成を阻害する環境や行為から青少年を守るため、今回、愛媛県青少年保護条例を大幅に見直し、自殺や犯罪を誘発する図書類等を規制対象といたしますとともに、陳列方法を規制するなど、有害図書類等の規制を強化したいと考えております。
 また、インターネットに関しましては、青少年が利用する可能性のあるパソコン設置者に対して、有害情報の受信を制限できるフィルタリングソフトの導入など、インターネット上の有害情報から青少年を保護するよう求めていきたいと考えております。
 このほか、青少年からの古物買受け等の制限や青少年の深夜連れ出し禁止規定違反の罰則創設、青少年の深夜立入り制限施設としてマンガ喫茶やインターネットカフェの追加など、青少年の非行防止のための規定を充実させることといたしております。
 今後は、この新たな条例をもとに、警察や青少年健全育成関係機関とも更に連携を深めながら、青少年が健やかに成長できる環境づくりに一層強力に取り組んでまいりたいと考えております。
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5. 少年非行の現状をどう認識し、地域ぐるみでの少年非行防止対策にどのように取り組むのか。
質問者:本宮議員
 警察庁が発表した今年6月までの上半期に検挙・補導した非行少年の実態を見ると、14歳未満の少年による事件は増加するとともに凶悪化している。少年犯罪や犯罪被害者への対応強化策として、14歳未満でも少年院送致を可能にすることなどを柱とした少年法の改正など、国において凶悪犯罪の低年齢化への対応策などを検討しているところである。
 しかし、次の時代を担う青少年の健全育成は、我々地域の大人が担うべき重要な責務であり、その意味において重要な政策課題となるのが「安心安全のまちづくり」である。警察を始めとする各行政機関はもとより、地域、家庭、学校が連携し、地域ぐるみで少年非行防止対策に取り組む必要がある。
答弁者:
 本県では、昨年中1,895人を検挙・補導し、非行の中心は中学生でありますが、特に小学生は過去10年で最多となっております。また、今年上半期でみてみますと、犯罪少年590人、14歳未満の触法少年164人を検挙・補導し、ともに昨年同期より減少しているものの、少年による強盗等の凶悪犯罪が倍増したほか、触法少年の非行少年に占める比率が21.8%と過去10年で最大となるなど、非行の悪質・粗暴化に加えて、低年齢化の傾向が窺われ地域社会にとって憂慮すべき問題と認識しているところであります。
 県警では、少年の非行を看過することなく、悪質な事案につきましては、強制捜査も視野に入れた厳正な捜査を進めております。また、学校と警察との非行情報等の相互連絡制度による児童生徒の再非行防止を始め、自治体・学校等と連携を図り非行防止教室等の開催を通じて子ども達の倫理観の育成やボランティア・地域住民との協働による街頭補導活動、万引きを始めとする犯罪を許さない社会環境づくりを進めております。更に、出会い系サイト等少年を取り巻く有害環境の浄化及び被害少年の立ち直り支援にも取り組むこととしているところでございます。
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6. 地域と連携した登下校時における児童生徒の安全確保にどのように取り組むのか。
質問者:本宮議員
 学校に不審者が侵入する事件や登下校中の子どもが襲われる事件などが相次ぎ、子どもの安全対策が喫緊の問題になっている。特に、登下校時は学校関係者の目も届きにくく、地域と一体となった安全対策が求められている。
 栃木県大田原市では防犯協力員約2,000人が散歩や買い物の際に腕章を着用し、犯罪の未然防止に一役買っているほか、三重県鈴鹿市では市教委と市内郵便局が連携し、職員が勤務中に幼児、児童、生徒が事故や事件に巻き込まれたのを見た場合には警察などにすぐ通報する取組みがなされている。
 県内でも、松山東警察署の署員約10人が幼稚園や小学校を重点的に警戒する「まもるくん隊」を編成しているほか、四国中央市では愛護班、老人会、消防団、婦人会など各種団体が一体となり「ふれあいパトロール」を結成、今治市の富田校区でも「こどもまもり隊」を結成し、地域挙げて子どもたちの安全を確保するなど各地の特色を生かして様々な取組みがなされている。
 このような試みは、子どもたちが地域で安心して暮せるようになるだけでなく、大人たちが、地域での係わり合いが少なくなった子どもたちの顔を知る良いきっかけにもなると思う。
 登下校時の児童生徒の安全確保対策は、地域の実情に応じた息の長い取組みとして継続して行われるべき課題であり、県においても6月補正予算で「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業費」が計上されたところである。
答弁者:
 お話にもございましたように、県下各地域におきまして、ボランティアによる通学路などでの見守り活動が実施されているわけでございますが、今年4月の調査では、小・中学校のうちボランティア組織が結成されている学校は、3割程度に留まっておりましたことから、全県的な拡大を急ぐべきと考えまして、新たに「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」をスタートさせたところでございます。
 この事業のねらいは、小中学校におきまして、ボランティアによるスクールガード組織を編成いたしましたり、既に活動を行っている組織に対しましては、これを支援していこうというものでございまして、すでに8月までにスクールガード代表者等連絡協議会を5地域で約600人の参加を得て開催いたしまして、警備上の留意点や具体的な取組みなどの紹介や情報交換を行いました。また、警察官OBによりますスクールガードリーダーを県下に26名配置することができまして、担当の学校を訪問して現地での巡回指導を開始したところでございます。
 このほか、モデル地域として指定いたしました西条市大町小学校では、420名の隊員に見守り活動にあたっていただいているところでございます。
 登下校時の安全確保には、一つ一つの地道な対策を積み重ねていくことが重要であると考えておりまして、今後、これらスクールガードリーダーの専門的な指導助言や評価を受けながら、地域ぐるみでボランティアによる学校安全活動が定着して、そのネットワークが全県下に広がるよう積極的に支援していきたいと考えております。
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7. 新生児救急車をどのように運用するのか。
質問者:本宮議員
 少子化対策としてさまざまな施策が講じられているが、1人の女性が産む子どもの数が減少していく中で、赤ちゃんが心身ともに健やかに産まれ育つことは、家族だけでなく社会にとっても重要であり、周産期医療の充実を図ることがこれまで以上に強く求められていると思う。
 本県の周産期医療体制は、平成2年度に県立中央病院に周産期センターを設置、平成15年度には同センターをより高度な機能・役割を持つ総合周産期母子医療センターとして整備・指定するなど、周産期医療体制の充実・強化が図られている。
 しかし、周産期には、母体及び胎児にいつ突発的な緊急事態が生じるかわからず、特に重症な病的新生児については、新生児集中治療室での高度専門的な治療が必要だが、現在、県内に新生児集中治療室がある医療機関は中予地区3施設だけであり、重症仮死など新生児科医師が同乗し一刻を争う治療が必要な新生児の場合でも一般の救急車で搬送されているのが現状である。
 そのため、県では新生児救急車導入の準備が進められており、県内産婦人科医療機関等との連携により十分な活用を期待する。新生児救急車は、県立中央病院総合周産期母子医療センターに整備されると聞くが。
答弁者:
 お話の新生児救急車は、搬送用保育器や人工呼吸器、ベッドサイドモニターなど最新の医療機器を装備しておりまして、呼吸器不全や仮死状態で産まれるなど、出生後直ちに治療の必要な新生児を、車内で蘇生・治療しながら搬送するもので、別名「動くNICU」、いわゆる新生児集中治療室と呼ばれているものでございます。
 その運用でございますが、総合周産期母子医療センターでは、県内産婦人科医からの緊急連絡を受けまして、24時間、365日、いつでも、県内全域を対象に同センターの新生児科医師が同乗して出動することとしておりまして、10月1日からの運用を予定しております。
 この新生児救急車の円滑かつ確実な運用には、お話にもございましたように、同センターと県内産婦人科医師等との連携が不可欠でありますことから、運用に先立ちまして、関係医師等を対象に、搬送の対象となる疾患やその症状、出動要請の方法等を説明いたしますとともに、パンフレットを作成するなど、運用方法の周知に努めているところでございます。
 今後は、新生児救急車「あいあい号」の導入を契機といたしまして、総合周産期母子医療センターを中心とした周産期医療体制のさらなる充実を図り、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに努めてまいりたいと存じます。

Eメール kensei@i-hongu.jp

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